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カナダとアメリカ

カナダとアメリカは国境を接し、同じく英語を話しながらも違う点が色々とあります。両国とも元々は移民で始まり、カナダは今でも積極的に移民を受け入れています。アメリカが出身国や文化を問わずアメリカ色に染めていくのに対して、カナダはそれぞれの文化を尊重しているところから、アメリカは人種のるつぼ、カナダは人種のモザイクと言われます。そのせいか、これは私見ですが、カナダのほうが人種や民族、最近ではLGBTなどへの差別や偏見が少ないように思えます。その他日常生活で目につく相違点を挙げてみました。

<メートル法>

カナダではもともとアメリカと同じヤードやポンドを使っていましたが、1970年にメートル法に移行することになりました。とはいえ、行き来の多い隣国のアメリカがヤード・ポンド法を使っているので両者が混在している場面が多々見られます。車のスピードメーターはカナダでは外側にキロメートル、内側にマイルが併記されています。ガソリンはカナダでは日本と同じリットルlitreですが、アメリカはガロンgallon。食料品店などでは重さをポンドlbとグラムまたはキログラムの併記が多いようです。身長はセンチメートルが基本ですが、フィートfeetとインチinch、体重もキログラムとポンドが併記されている場合があります。身長を聞くと、例えばファイブテンFive Tenという答えがよく返ってきます。これは5フィート10インチのことで約178cmのことです。スポーツの世界ではバスケットボール、アイスホッケー、野球などアメリカと同じリーグに属しているものはカナダの放送でもフィートや、ポンド、マイルを多く使用しています。

スピードメーター 外側がキロメートルkm/h(時速 km per hour)、内側がマイルmph(時速 mile per hour)
食料品店 1ポンド2ドル99セント、1キロ5ドル4セントが併記されています。

<言語>

カナダは公用語が英語とフランス語なので、政府関係の文書は必ず併記されていて、勤めている人たちも原則的には両方の言語を使えるバイリンガルです。また多くの大企業も英仏両方の会社名を持ち、両方の言語に対応しています。ケベック州ではフランス語が優先で、街中の看板はすべてフランス語です。併記する場合はフランス語が先にきます。しかしながらフランスで使われているフランス語とは言葉の使い方、発音、時には文法も違ったりします。フランスで使われているのが標準語とすると、カナダで使われているのは、フランスの地方で使われていた方言が独特の発達を遂げて来たものの様です。私が通った語学学校ではそれぞれの違いを教えていました。

英仏併記の一時停止標識

他の州では殆どの場合英語が優先ですが、色colorはcolour、劇場theaterはtheatreなど、スペルが違ったり、アメリカ人が最後に良く使う「でしょ」にあたるライトrightがカナダではエイehを使ったりします。何かいうたびにehをつける人もいて最初の頃は気になったものです。アメリカ人がカナダ人をからかったりするときに、ehを付けたりすることもあります。

<硬貨>

硬貨はデザイン以外にも違いがあります。アメリカでは硬貨は1, 5, 10, 25セントが主流で50セントや1ドルコインは一般的には流通していません。カナダでは2013年に1セント硬貨が廃止になり、5, 10, 25セントが主流で、50セントコインは一般には流通していません。私はカジノでだけ見たことがあります。アメリカと違うのはこの上に1ドルと2ドルの硬貨が有ることです。1ドル硬貨には水鳥のアビ、英語でルーンloonが描かれていることからルーニーloonieと呼ばれ、2ドル硬貨には熊が描かれていますが、1ドルが2つ分という意味を含んでトゥーニーtoonieまたはtwonieと呼ばれます。外側がシルバー、内側がブロンズというツートーンカラーが特徴です。カナダの硬貨の片側にはすべてエリザベス女王の肖像が描かれていますが、先日亡くなったので今後チャールズ国王に変わるのでしょうか。

カナダのコイン

<紙幣>

アメリカの紙幣は基本的にグリーンですが、カナダはカラフルです。一般的に出回っているアメリカのの紙幣は1,2,5,10, 20, 50, 100ドルですが、カナダは1ドルと2ドルはコインなので5, 10, 20, 50, 100ドルで、最新の10ドル紙幣は珍しく縦型になっています。昔1,000ドルと5,000ドルを見たことがありますが、一般には流通していません。カナダの紙幣は現在紙ではなく耐久性に優れているポリマーという素材が使われています。

カナダの紙幣

<銃規制>

カナダは銃器を持つことに関して厳しい国ですので、日本のようにギャング動詞の抗争で銃が使用されることはあってもアメリカのように発砲事件が多発することはありません。カナダとアメリカの国境で、警察官が私の前の車のトランクから発見したピストルを路上に放り投げたのを見たときにはゾッとしたものです。